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2005/06/24

ジャック・キルビー死去

ジャック・キルビーが6月20日に亡くなった。原因はガン、享年81歳。
まだ生きていたのかという驚きと同時に半導体プロセスに大きな足跡を残した人がまた亡くなったなと思った。

半導体プロセスを知っている者であれば、ジャック・キルビーの名前を知らない者はいないだろう。もし居るとしたらそいつはもぐりどころか半導体プロセスを全く知らない奴であり、そんな仕事は出来ない奴だ。ジャック・キルビーの偉業はキルビー特許に尽きる。と個人的に思う。

キルビー特許は板状の半導体基板の上に電子回路を作りこむ技術で、本来はプレーナ技術と呼ばれる。これがまた非常に秀逸な技術でこの技術が無ければ半導体の発展は無かったと言っても過言では無い。だってプレーナ技術を用いないとICやLSIは作れないのだから。

そのためにプレーナ技術=キルビー特許であり、キルビー特許という言葉がプレーナ技術の代名詞でもあった。

プレーナ技術が出来るまではメサ型や合金型トランジスタが主流であった。現在では完全にプレーナ技術に移行している。Si基板は製造装置自体がプレーナ技術を前提としたものになっているからだ。

このキルビー特許には日本のデバイスメーカーはかなり苦しめられた。アメリカのサブマリン特許のおかげ、というだけでもないがプレーナ技術がIC製造方法として一般的なものになってから特許が公開されたというのが大きかった。

実はキルビー特許と呼ばれるものはキルビーが申請した特許全てを指すのが一般的で、今回ネタとして取り上げているものは、その中でもとくに影響が大きかったもの、つまりプレーナ技術に関する特許で、この特許はキルビー275特許と呼ばれている。
しかし実際のところこのキルビー275特許を使ってICを製造していた日本のデバイスメーカーはいなかった様だが、国内デバイスメーカーは訴訟を嫌がって富士通を除くメーカーはテキサスインスツルメンツとパテント契約を締結した。富士通はどうしたかというと徹底抗戦に出て、一審から最高裁まで完全勝訴。やったね富士通。今は見る影も無いが _| ̄|○

だから一番の国賊はこんな特許を通してしまった特許庁審査官かもな。こんな噂まで出回る始末だし。
特許法に詳しいわけではないので何故だか判らないがキルビー特許の期限満了が2001年。現行法では特許権利期間は出願から20年なので、なんかそうなるようなことがあるのだろう。分割出願とか。
また富士通とテキサスの訴訟に決着が付いたのが平成12年(2000年)というから最近の事である。

しかし何だかんだ言っても偉大な発明である事は間違いない。
謹んでご冥福をお祈りします。

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