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2006/06/07

やはり敗けたか・・

1950年代にドミニカに入植した人たちが、作物が取れないような土地をあてがわれて生活できないのは詐欺であると国を訴えた裁判の判決が今日出た。
僕の予想通り敗訴であった。

昨日、テレビニュースで見たけど、あれは酷い。
塩が噴出すような土地で作物なんて作れるわけが無い。 入植者たちは最初霜が降りたのかと思ったほど地面は塩で真っ白だったらしい。写真で見たが一面真っ白な地面を見ると誰も塩が噴出しているとは思わないだろう。

しかも移民前に外務省はその事実を知っていて移民希望者に隠蔽するようにというドミニカ大使が本国外務省に打電した公文書が残っているので、政府の有罪は間違いないし、自殺者が出たことを考えるとその罪は重い。

昨日のニュースを見ていて気になったのが、政府が有罪なのは間違いないけれども、入植時期が1950年代後半と約50年も前であり、民事の時効をとっくに過ぎている点。
案の定、判決要旨を見るとやはり民事請求の時効が来ていることを理由に敗訴。

ニュースで移民の一人の方が『私は日本国民である。日本国民として政府を訴えるのは忍びないが、こうでもしないと解決しない問題なのだ!』とおっしゃっていた。
おそらくこの人は政府と交渉すると政府は前向きに対処してくれるものと信じていたのだろう。そして裏切られたと。その間にも時間は過ぎていく。

国を信じた人間をだまして裏切る、こんな国に愛国心を持てと言われてもなぁ。

ブラジル移民もそうだけど、みな借金までして見果てぬ地での豊かな生活を夢見て入植したら詐欺であったと。中には自殺者も出た。むごい。
戦前の話ではないところが更に日本政府に対して信用がおけないところである。

ドミニカ移民訴訟:請求棄却 国責任認めるも 東京地裁
 1950年代に中米のドミニカ共和国へ移住した日本人と遺族ら170人が「『優良農地を無償配分』 などとした日本政府の誇大宣伝にだまされ劣悪な環境での生活を強いられた」として、31億円余の賠償を国に求めた訴訟で、東京地裁(金井康雄裁判長)は7 日、国の法的義務違反を認めながら、請求権が消滅する除斥期間(20年)が過ぎたとして、請求を棄却した。日本弁護士連合会が人権侵害と認定するなど「戦 後最悪の移民政策」と指摘されたドミニカ移民について、判決が国策の誤りを指摘したことで、国は原告ら移住者救済への対応を迫られる。原告側は控訴する。
 移民募集などの事務は外務省傘下の財団法人「日本海外協会連合会」(海協連、現・国際協力機構)が担当。国が「海協連が主体的に募集選考した」と主張したことから、国の関与や賠償責任が最大の争点になった。
  判決はまず「当時重要な政策と位置づけていた日本国民の海外移住政策の一環として、外務省と農水省が企画立案し、海協連に指示して実施した」と、移住を国 策だったと認定。そのうえで「国は、農業に適した土地を確保するよう配慮する職務上の法的義務を負っていた」と判断。入植地の農業適性や面積、所有権の有 無などについて「現地調査や情報提供をする義務を尽くさなかった」と、国家賠償法上の賠償責任を認めた。
 しかし、原告の賠償請求権は移住した56~59年に発生したと指摘。「20年間を過ぎた時点で消滅した。除斥期間の適用が著しく正義、公平に反するとは言えない」として訴えを退けた。
 原告は56~59年に移住した249家族1319人の一部。170人のうち141人は今もドミニカ在住で、00年と01年に提訴。残り29人は61~62年に集団帰国し、01年に訴訟に加わった。
  政府は戦後、引き揚げ者などで人口が増えたため移民政策を推進。しかし、ドミニカでは生活苦のため自殺者が出るなどして帰国や他国への再移住が相次ぎ、約50家族が残った。原告らは断続的に救済を国に求め、03年に訴訟を支援する超党派の国会議員連盟が発足。小泉純一郎首相は04年3月「不手際を認め、し かるべき対応を考えたい」と参院予算委で答弁していた。【高倉友彰】
 ▽原告・弁護団の話 移住者は文字通り「棄民」であったことがさらに明らかになった。国策だったことに判決は触れたが、控えめな評価しかできない。移住者の無念や苦しみに「時効」はない。判決の不当性は明らかで、ただちに控訴する。
毎日新聞 2006年6月7日 11時16分

ドミニカ移民訴訟:「棄民」に時効の壁…老いた原告無念
 「涙を流して死んでいった仲間に何と報告すればいいのか」。ドミニカ移民訴訟の7日の東京地裁判決は「戦後最悪」とされた移民政策を糾弾しなが ら、法律上の「時効」を理由に原告の請求を棄却した。「私たちは国にだまされ捨てられた『棄民』」。内容で勝訴しながら、結果は敗訴。国策移民の悲劇を告 発してきた老いた原告たちは、無念の表情を見せた。
 「祖国は自国民をカリブ海の小さな島に棄てたんだな」。請求棄却の主文を聞いた瞬間、今もドミニカ共和国で暮らす原告の嶽釜(たけがま)徹さん(68)の頭を、そんな思いがよぎった。
  提訴から6年。法廷で移民政策の不当性を訴え続けてきた。「すべてを時効として消してしまう判決には本当に不満」。悔しさをこらえるように言葉を選ぶ。 「祖国にだまされるなんて、誰一人思っていなかった。我々は本当に日本人なんでしょうか」。移住先で亡くなった仲間は137人に上るという。「ドミニカに 眠る彼らにどのように報告すればいいのか迷っている」。そう語ると、唇をかんだ。
 一方、61~62年に日本へ戻った移住者でつくる「集団帰国者の会」副会長の森正次さん(73)=石川県志賀町=も「政府が悪いと分かっていて、時効で解決するのは許せない」と、判決に怒りをあらわにした。
 石川県の森林組合に勤めていた55年3月、「現地はカリブ海の楽園。広大な優良農地が無償で得られる」とのチラシに誘われ、ドミニカ共和国移住に応募した。当時23歳。「大農園主になり『国土』を広げれば新生日本にも貢献できる」。そう思った。
  だが、入植した同国西部のネイバ地区は、石ころだらけで、かんがい施設もなかった。わずかな土と水でバナナを作り命をつなぐ日々。入植地は有刺鉄線で囲ま れ、銃と刀を持つ軍人に似た姿の管理人が草刈り作業などを強いる。自由さえ奪われた。その悔しさやみじめさが、今もうずく。
 今夏は移住50周年。記念式典も予定されている。嶽釜さんは「移住50周年になりません。『棄民』50周年になります」と吐き捨てるように言った。【高倉友彰、木戸哲】
毎日新聞 2006年6月7日 11時18分
ドミニカ移民訴訟:国の主張認められた…外相が談話
 麻生太郎外相は7日、ドミニカ移民訴訟の東京地裁判決を受け「国側の主張が認められた。同時に、当時の状況について厳しい指摘があったことに十分 留意し、判決内容を精査する必要がある」との談話を発表した。今後の対応については「移住者との信頼関係の構築に向け、引き続き移住者との対話と共同作業 を旨として調整を進めていく」とした。
毎日新聞 2006年6月7日 11時19分


ドミニカ移民訴訟:判決理由に戸惑い…現地の原告ら
 「真綿で首を絞められる思いだ」。6日夜(日本時間7日午前)、ドミニカ共和国の首都サントドミンゴの自宅で敗訴の連絡を受けた原告団長、木村庫 人さん(79)=山口県出身=は一瞬言葉を失った。ようやく気を取り直したものの、賠償責任は認めながら請求権は消滅との判決理由に戸惑いを隠せなかっ た。
 木村さんは東京地裁の判断に「逃げ腰であいまいな判決。われわれをだました政府がなぜ勝つんだ、正しい法律はどこにあるんだ」と怒り を込めた。00年の提訴以来、原告団約170人を率い、口頭弁論に何度も足を運んだが、今回は体調が悪く自宅で待機。この日の判決までに亡くなった原告十 数人に思いを寄せ「良い知らせを伝えたかった……」と悔しさをにじませた。
 首都に暮らす吉元酉雄さん(79)=鹿児島県出身=も「おかし な判決。理解も納得もできない」と当惑気味。「控訴して争う。年を取って経済的にも苦しいけどやりますよ」と言葉を継いだ。中部ハラバコアに住む福永正彦 さん(58)=同=も「(今は亡き)おやじはきっと『控訴して頑張ろう』と言うに違いない」と話した。(共同)
毎日新聞 2006年6月7日 11時58分

ドミニカ移民訴訟:解説 司法の壁厚く
 ドミニカ移民らの賠償請求を退けた東京地裁判決は、国の責任を訴訟で問う際の「壁の厚さ」を改めて示した。
 農業従事者らを中心に募ったドミニカ移民には外務省、農林省(当時)の多数の公務員が関与した。国家賠償法適用の前提となる「どの公務員がどんな違法行為をしたのか」を特定するのが一つの大きな壁だった。
  判決は、計7カ所の入植地について移住までの経緯を詳細に検討したうえで、現地調査や外交交渉において「外務省や農林省の担当者が義務を尽くしたとは言え ない」と指摘。「事務を統括する外相、農林相にも違法行為があった」と踏み込んみ、原告側の「すべての公務員の行為の総体が違法」との主張に近い判断を示 した。
 だが、もう一つの壁である除斥期間(権利の存続期間)では国側主張を認めた。原告側は「日本から遠く離れていたなど特殊事情があり 除斥期間を適用すべきではない」と主張。これに対し判決は「ドミニカに残留した原告らも遅くとも74年4月ごろには、大使館への陳情など現地でさまざまな 取り組みをしていた」と指摘。早い段階での提訴が可能として「除斥期間を適用しても著しく正義、公平に反するとは言えない」と退けた。
 国策の誤りを批判しながらも、現在の法制度では原告勝訴に結びつかないという司法の結論。原告らの救済は立法府と行政府の出番となる。【高倉友彰】
毎日新聞 2006年6月7日 12時33分
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